鯛が「今この瞬間」について話す

魚類が自分にとって大切な「今この瞬間」を書き残す

終わるはずだった「はじまり」はまだ続いていく

あの日から。あのまるで魔法がかかったようなELLEGARDENのライブから、もう10日が経った。


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もう、とは言ったものの、「もう」なのか「まだ」なのか、それもよく分からない。いつ思い出してもつい昨日の出来事だったように感じるし、もう何年も前の記憶のようにも感じる。あの日のことを思い出すと、私の時間感覚はバグってしまう。



冗談抜きで、私はあれから毎日ずっと幸せだ。まあ、そりゃ仕事や家庭で一瞬イラッとすることとか、そういうことがないわけではない。が、それを加味したって、有り余るほどに私は日々を幸せに生きている。




あの夏の日、あの一晩に、一体何があったんだろうな。







「一人じゃないというのはすてきなことだな」と、そんな絵に描いたような歯の浮くような綺麗事のような、そんなことをあの日を思い出しながら考える。



と同時に、「人間はひとりぼっちだな」とも改めて思う。悲観でも感傷でもなく、ただただそれは「そういう事実」としてそう感じる。




しかし、そうであるとして。




この世界のどこか遠いところで、「頑張ろうぜクズ共!」と叫んでいる人がいる。そしてその叫びを、この耳で聞いた私がいる。それを聞いた25000人がいる。



多分その言葉は、またいつか彼らと再会するその日まで、自分でもどこかも分からない"目指す先"を見失わないための、方位磁針であるような気がする。




根拠はないけど、この方位磁針を頼りに自分が進むこの先で、また再び彼らと出会えるような、そんな気がしている。




多分、あの「完璧な夏の日」が、これからを生きる私にとってお守りであり続けるような、そんな気がしている。





この文章を打ちながら、「あぁ、本当に彼らとの旅が始まったのだな」とそう感じる。





あの日、「はじめまして」と「さよなら」を同時に告げるはずだった。終わるはずだった彼らとの日々は、まだ続いていく。


右手

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