鯛が「今この瞬間」について話す

魚類が自分にとって大切な「今この瞬間」を書き残す

理想の生き方の話

飄々とした生き方に憧れている。

まあ実際のところは飄々と生きるどころか、地べたに転がってのたうち回ってる時間の方が体感的に長く感じるような人生を送っているのだが。


フリクリが好きだ。高校生という多感な時期にこの作品に出会ってしまったのが運の尽きだったと思う。出会い頭にベスパで轢いて、その上さらにリッケンバッカーで殴って、そうやって他人の人生に土足で踏み込んで、一方的に影響を与えていくくせに、その責任は取らないままどこかに去って行ってしまう。それぐらいには傍若無人。私はそんなフリクリの、どのキャラクターの生き方が、というよりは、「フリクリという作品そのものの持つ飄々さ」に憧れている。
「ウソでもホントでもどっちでもいーじゃん」というあの台詞。ダラけてるわけじゃなくて、余計で無駄な肩の力がちゃんと抜けてる感じ。それでいて、「カッコいいの怖さはバカじゃなきゃできんってこと。だーかーら、カッコいい」ってサラッと言っちゃうところ。なんかそういう飄々さが、どうしようもなくカッコよくて好きなのだ。



STAnも飄々としてて好きだ。これも高校生の頃、TSUTAYAでレンタルしたかったけどそもそも田舎すぎるからか取り扱いがなくて、でもどうしても聴きたいからタワレコで探して買ったんだっけ。
飄々として、テキトーなことを言ってるようなノリで妙に核心を突いてくるあの感じ。私は勝手に、この世の真理を歌っているバンドだなぁと思っている。そんなバンドがもうこの世には存在しないという事実も含めて、なんかちょっと美しささえ感じるもんな。気合いもグーだし。



私は猫を飼っているが、猫のことも好きだ。あいつらの生き方も飄々としている。「一緒に暮らしている」というよりかは、ただ「生きてる場所が偶然同じ」ぐらいの距離感というか。都合のいい時だけそばに来て、用が無くなったらそっぽを向くくせに、「自分は愛されてて当たり前」みたいな顔をしながら、なおかつ「人間に飼われている」感が微塵もないあの感じ。なんなんだお前らは。でもそんな生き方を同じ生きものとして尊敬している。



そういうのをひっくるめて、それが自分に実際にできるかどうかは別として。肩の力が抜けた、あの飄々とした生き方に憧れている。



そしてそんな飄々さに憧れている自分はというと、(特に仕事中の話だが、)キツいと感じた時に「うわキツ……」みたいなのが顔にすぐに出る。そして、テンパった時にすぐにテンパっているのが顔に出る。無駄に正直すぎてマジでダサい。私は、自分のそんなところがとにかくカッコ悪く感じていて、本当に嫌いだ。まさかこれが飄々とした生き方に憧れている人間とは思えない。




よく考えれば、今の推しである宮城リョータは、「私の求める飄々さ」にちょっと近くて、でもそれとはちょっと違う。



「キツくても、心臓バクバクでも、目一杯平気なフリをする」



試合前に緊張でトイレでリバースするぐらいだ、根っこは全然平気じゃないのだ。なのに、全然飄々としてないくせに、でも必死にそう見せてる、他人に平気じゃないのを悟らせないあの感じ。
そして、本当は平気じゃないのに必死に平気なフリをすることで、それが他人の前で、コート上で、あるいは漫画を読む私たちの前で、"本当"になっちゃうあの感じ。


私は彼のそこが、本当にカッコいいと思ったのだ。


だから、私も仕事中に「うわキツ」と思った瞬間やテンパった瞬間に、即座に「目一杯平気なフリをする」と心で唱える。すると、いつもよりもほんの少しだけ「平気なフリ」ができる気がする。あくまで「気」でしかないので、周りからはどう見えているかは分からないが。


でも以前、「忙しくて他の人はイライラしてるけど、でも鯛さんは全然イライラしてないですね」と仕事中に言われたことがあるので、多少は効果が出ているのかもしれない。

あとは、褒められた時にも逆に調子に乗ってミスすることもあるので、褒められた時にもできれば「平気なフリ」をしてほしい。せっかくのプラスがプラマイゼロになるの、マジでダサいから。



ふむ。
こうやって「好き」を並べて考えてみると、少しだけ自分のことが見えてくる気がする。
このブログを作った時に、元々自分がやりたかったことだ。少しずつ自分の中のことを言葉にできる幅が増えていること、形にできるものが増えていることに面白さを感じている。


control-stick.hatenablog.com



面白いのは自分だけかもしれないけど、まあそれでも構わない。


まあとりあえず、だ。
根っから飄々と生きることは難しいだろうから、ならばせめてこれからも目一杯平気なフリをして、飄々と生きてるフリでもしてみようと思う。実際にそう見えるかどうかは分からないが。でも、それを続けていたらいつかはそれが"本当"になる日が来るかもしれないし。1mmでも自分の思う"カッコよさ"に近づけたらこっちのもんだ。
そう思ったところで、とりあえず今日は寝ることとする。

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